数量の認知 ②
数的思考には「数量の認知」が不可欠です。それはまた、「同じもの」としてみなせるかといった「同じようなもの」なのかどうかを「比べる」ということです。それは「近似する」ということです。そして、近似したところから話を進めていくという「折り合いの意味」を発見するのです。
思い出すこと
学習塾で講師として働いていた時のことです。私は子供に向けての営業トークに抵抗を感じていました。子供が先兵となって保護者を説得し、サービスの継続や新規サービスへの追加といった行動へと向かわせることに息苦しさを感じていました。よいサービスだからそれを伝えるのは当たり前という考えに疑問を持っていたのかもしれません。
トークの研修があったのですが、学習内容そのものへの魅力ではなく、「キャリアの選択肢が広がる」といった「希望」や「落ちこばれたらどうする?」「恥ずかしくないのか?」といった「危機感」を煽るようなトークが、オブラートのように包まれたトークに変えられ、「よきトーク」の例となって、評価されるのです。
「今、どうして勉強しているのか?」という訳が認識できて、「だから必要なんだ」という意識を納得へと変えて、トーク者側が望んだよい行動へとトークを対象とする側に向かわせるというわけです。
この塾を選ぶ顧客(家庭)の条件というものがあるとしたら何かと考えると、物理的、経済的な条件を満たした家庭に限定されます。さらに多くの塾の中でその塾が選ばれるためには、進学実績や成績といった進路を決定していく情報の信用度の高さに左右されます。一方で、人と人とが直接関わる中での安心感や信頼度の高さにも左右されます。
講師の資質について考えると、授業の分かり易さが挙げられます。子どもの学習意欲を高め、その段階を歩むことで、自ら望む進路に向かう力へと変え、結果的にその塾が学校や志望校の成績や進学に大きな影響を与えたと認識され、信頼度が高くなります。
もう一つは、顧客への理解と個別対応があげられます。子供達への声掛けや保護者が望む情報の共有といったものは直接関わっていないと分かりません。安心して相談できる雰囲気を作ることで信頼度が高くなります。
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