帰納と演繹
帰納も演繹も推論する時の手段です。帰納は、個別の事柄から一般的な内容・法則を導き出すことです。演繹は、ある普遍的な内容・法則から個別の事柄を導き出すことです。実験による一定の結果は帰納的な推論になります。
その結果の正しさが確からしいこと、つまり、反証が見られないうちは、その結果から導き出された正しい結果は演繹的な推論に類似したものとなります。いずれも、明らかな概念の組み合わせの間にどのように、どのような橋を架けるのか、どのような構造になっているのかという点が推論を行うことの目的となります。
落下距離と落下時間の関係を知るために行う実験で加速度が一定である関係を見つけることは帰納的な営みですし、地上の物体の落下運動の式から落下時間と落下距離の関係を知ることができるのは演繹的な営みです。
思い出すこと
私が小学生の時、体育館の壁を見て、壁の模様が動物や人の顔といったものにどんどん変わって見えていくのを楽しんでいました。壇上で話す先生方の意図とは別の方に向かって、自分の楽しみに没頭していたのでした。今思えば、頭の中でさまざまな思いを巡らして言葉にならない映像を見ていたのです。
文科省初等中等教育局教育課程課教育課程企画室が平成21年以前に寄稿した「算数・数学の学び」とは
現在、子供の学力育成を担う教育機関は規模も形態も様々で多様化しています。中でも、この国に住む子供を持つ全ての大人には子を学校に通わせる義務があると憲法でうたい、その実現と維持に向けて努力する社会を描いて(それを担う政府機関が)各自治体に要請をし、その要請を受けてつくられた教育機関があります。それが公立(私立も含めた)学校です。この学校での教育によって子供の学力向上が促されます。
シナ大陸経由の文化の影響下で培ってできた教育機関といえば、江戸期、庶民教育を担った寺子屋や主に士族子弟の教育を担った藩校があります。しかし、脱亜入欧政策による国の教育方針は大きく舵の向きを変え、明治期、大日本国憲法を定め、学制によるヨーロッパ(フランス)風の学校教育を取り入れ、子供への四民平等、富国強兵政策下による労働生産力を担う教育機関として、国民学校がつくられました。
大正、昭和と時代が進み、大衆化した教育機関となり、日本国憲法下での国民政策実現のために、教育基本法の制定と改訂を経て、今日の学習指導要領下での内容を子供は学び、社会に出て行くのです。
さて、思考に関して、文科省初等中等教育局教育課程課教育課程企画室が次のような寄稿文を作成していましたのでご紹介します。こちらは、清水委員説明資料 算数・数学の学びと言語力の育成-「筋道を立てて説明する力」に焦点を当てて-という寄稿文の一部です。数的思考力に対する見方を示してくれる資料として参考になります。
文科省初等中等教育局教育課程課教育課程企画室による「算数・数学の学び」
この寄稿は平成21年以前の寄稿です。寄稿者である清水静海(しみず しずみ、1949年ー2022年11月23日, 当時、筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授)の意見発表説明資料です。
率直な感想は、「学科という枠にとらわれないで、歴史的にも偉大な功績を持つ、主として欧米の専門家たちも言われるような、思考言語を学ぶ上での算数・数学の学びはこのように有効なのですよ。だから日本も…」という意見なのかなというものでした。
コメント
いろいろなことにチャレンジされていますね。実は必ず結びますよ。応援してます!
はい、ありがとうございます!